2017.4月号vol.24

歯科用CT診断で親知らずも怖くない!

前号(vol.23)では、親知らずについてお話し致しました。

今号は、歯科用CTを使用した「親知らずの抜歯」の診療です。

皆様もご存知の「親知らずの抜歯」では、歯が歯ぐきの中に埋まっている場合も多く、根も複数本ある場合もあります。

歯の根の形や、向き、骨の厚さなどを今までのレントゲンでの平面画像に加え、CTで立体的に確認することで、より迅速に正確に治療が行えます。

また、下顎の親知らずの近くには、「下歯槽管(かしそうかん)」という、下唇や顎の知覚を支配している管も通っていることから、親知らずの根と下歯槽管の距離をあらゆる角度から診断し、下歯槽管を傷つけずに抜歯することが重要です。

親知らずと下歯槽管があまりにも近い場合には、病院歯科口腔外科との連携を取り、安全性を重視した診療計画をご提案致します。

歯科用CTによる診査・診断は、

皆様が辛いと感じる歯科治療の時間を短縮するだけではなく、安全な歯科治療にも繋がります。

2017.4月号vol.24

その原因はTCHかも!?

皆さん『TCH(ティーシーエイチ)』をご存知でしょうか?

最近は、新聞やテレビでも取り上げられている『TCH』は、

『Teeth Contacting Habit』を省略した呼び名で、訳すと『歯牙接触癖』といい、上下の歯を無意識に接触させる癖のことです。

日本人の25%はこのTCHを持っていると言われています。

TCHは、どのような問題があるのでしょう?

それは、人は上下の歯を軽く接触させるだけで、歯の神経を圧迫してしまいます。

その事が一つの原因となり、『知覚過敏症』『歯ぐきの変化』『歯の痛み』『歯がグラグラする』など様々な症状を引き起こす他に、ムシ歯や歯周病の進行を加速させる場合があります。

当院でも、ムシ歯は無いのに歯が痛いという症状の方が来院されますが、TCHが原因のときもあります。

肩こりや頭痛の原因にもなるTCHは、意識をもって歯と歯がなるべく接触しないように心がけることが大切です。

唇を閉じ、上下の歯は当てずに、舌は上顎の粘膜に触れ、鼻で呼吸する状態がベストです。

気になる方は、当院スタッフまでお気軽に御質問下さい。

2017.4月号vol.24

歯周病と全身健康~認知症~

今年の1月号「きらら通信(vol.21)」から、お伝えしている『歯周病と全身健康』の関係です。

先月号の『歯周病と心筋梗塞』に続き、今回は、『歯周病とアルツハイマー型認知症』の関係についてのお話しです。

認知症の中でも最も多い、アルツハイマー型認知症は、脳の萎縮(いしゅく)が特徴のアルツハイマー病によって起こる認知症のことで、

物忘れなどの「記憶障害」や「判断力の低下」が症状として現れます。歯周病とアルツハイマー病の因果関係につては、まだ不明な点もありますが、いくつかの実験結果では、歯周病がアルツハイマー病の悪化因子であることの報告が上がっています。

歯周病を持っている場合、アルツハイマー病の原因とされるタンパク質が多くみられることから、お口の中の歯周病菌や炎症の原因となる物質が、血流に乗り、脳に運ばれることで何らかの影響を与えていると考えられています。

アルツハイマー型認知症の人は、健康な人よりも歯の本数が少なく、また、残っている歯が少ないほど脳の萎縮が進んでいたということが報告されています。